オルカンよりもリターンの良いファンドに乗り換えようか…という誘惑。

資産運用

日経新聞に、5年リターンでテック関連のファンドが、上位を独占していることが報じられていました。


引用元
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB290N00Z20C24A1000000/

1位の「eMAXIS Neoバーチャルリアリティ」はオルカンの3倍以上、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の2倍以上のリターンを出しています。本当にすごいリターンです。
この様な記事を見ると、オルカンよりもリターンの高いファンドに乗り換えようか?オルカンよりも他のファンドの方がいいんじゃないか?と考えることもあると思います。
波乗りうーたんも、SNS等で爆発的な利益を出した人を知ると「いいなー、羨ましい!」と思うのと、何となく置いていかれた様な気がすることがあります。2018年6月から本格的に資産運用を始めましたが、「いいなー、羨ましい!」と思ったことや焦ったことは数知れず…。

そんな時は、次の表を見てみると少し落ち着くかもしれません。表は「J.P.Morganアセットマネジメント」のサイトからの引用です。

表は年間のそれぞれのアセットクラスをリターンの良かった順に並べたものになります。
アセットクラスは、先進国株式、日本株式、新興国株式、米国ハイ・イールド、欧州ハイ・イールド、先進国国債、新興国国債、米国REIT、J-REITの9個と、9個のアセットを混ぜたバランス型の合計10個です。バランス型は債権や株式が混ぜられているので、最も分散が効いたアセットクラスだと思います。
年間ベストリターンの資産クラスを見ると、先進国株式が1位になったり、米国REITが1位になったりしていて、2年続けて1位になった資産クラスはありません。逆に年間ワーストリターンを見ても、2年続けてワーストリターンになった資産クラスもありません。このようにバラバラで一貫性のない状況で、どのアセットクラスが良いリターンか、というのを事前に予想することは困難だと思われます。
また、9個のアセットを混ぜたバランス型は「ベストリターン1位になることはないけれど、ワーストリターン1位になることもない」と思います。
オルカンは債権を含んでいませんが、ある意味このバランス型に似た特徴があるのではないかと思っています。なぜかと言うと、日本株式と先進国株式と新興国株式が混ざっていて、株式のアセットクラスの中では最も分散が効いていると思うからです。

オルカンを株式のアセットクラスの中で、「ベストリターン1位になることはないけれど、ワーストリターン1位になることもない」と考えると、ハイテク株のリターンがすごい時は、「ハイテク株」を持っている人が喜んでいるのを見ることになり、新興国株のリターンがすごい時は、「新興国株」を持っている人が喜んでいるのを見ることになります。そして、オルカンのリターンが1番になることは絶対にありません。
しかし、短い期間では地味なリターンのインデックスファンドですが、5年、10年、15年と運用期間が長くなると、インデックスファンドに勝てるアクティブファンドはかなり少なくなります。このことから、プロでも毎年ベストリターンのアセットクラスに投資し続けるというのは難しいことが分かります。インデックスファンドと、アクティブファンドのデータについてはS&P SPIVAのレポートを参考にしてください。

このデータを参考にすると、「ベストリターンのアセットクラスを探す必要はなく、ベストリターンもワーストリターンも出さないインデックスファンドを長く運用すれば、資産が増える可能性は高い」ということになります。
未来のことは全く分かりませんが、結果を出しているファンドは既に高値になっていて、乗り換えた場合、高値掴みをしてしまうかもしれません。また、絶好調のNASDAQ指数も、2000年のITバブルから2017年まで最高値を更新することができなかったこともある様です。次の記述は「Wikipedia」のサイトを参考にしています。

結局のところ、資産をそれなりに増やすコツは、大当たりのアセットクラスの資産を買って大喜びをしている人を横目に、オルカンや、S&P500などのインデックスファンドを淡々と買い続けることだと思っています。

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